姑(しゅうとめ)現象――なぜ姑はわずかなほこりに気づくのか


姑現象(これは私の造語ですが)についてふと思いました。

「○○さん、こんなところにほこりが残っていますよ。」的な昼下がりのテレビドラマで出会いそうな言葉って、もし実際に言われたとしたら思わずイラッとしてしまいそうですよね。

これとは少し異なりますが、実際の世界においても、高齢の女性が、視力が落ちてきているにもかかわらず、若者が気づかない部屋の隅に残っているわずかなホコリに気づいたり、ご近所の様子や事情をやたらによく観察して知っていたりすることがしばしばあるようです。というか、ありました。

老眼にもかかわらずですよ。不思議ですね。

思うに、高齢の女性の中には、もういい歳になったということもあり、大きな野心や夢をもっていなかったり、退職していたり子育ても終わっていたりして、家に長時間いてゆっくりと過ごしている人が若者に比べ多いのでしょう。そういう人は興味関心が極めて身近なものに向かう傾向が強いのだと思います。

一方、若者はしばしば、それなりの野心や夢を持っていたり、家の外での活動に夢中であったり、多忙であったりして、高齢の女性に比べ身近なところに興味関心が向かいにくいのでしょう。

若くても超地に足ついた人もいるでしょうし、高齢でも空を眺めている人もいるでしょうから、一概には言えないでしょうが、若者と高齢の女性の「ホコリ気づき力」の差は、主に興味関心の対象と生きるペースの違いに起因するのだと思います。超地に足ついた人と空を眺めがちな人のそれぞれに長所があるのでしょうから、互いの境遇や心を想像し、尊重しながら生きられるとよいのだと思います。

ちなみに私は、ホコリ気づき力は相当低いと思っています。