戦場のメリークリスマスにラッキープール――真面目とユーモアの往復運動に人生の要諦はある


午後の風

やわらかく



御所界隈に行きて

カンタータを聴きながら

うたた寝


熊にとって

冬眠とは無駄な時間なのだろうか


サンタクロースのような働き方をしたいと

思ったり


冬の陽射し

弱々しく


寒さはこころを温めてくれるから

悪くない


夕刻

冬の梢極まり

真面目の気配



聖夜に

プールで泳ぎ

25mで息切れ


昔 

怖い思いをしてからずっと

水中では

力んでしまう


これは

泳いでいるのではなく

おぼれているのだと

気づいた

つまり

25m泳いだのではなく

25mおぼれながら なんとか向こう岸にたどり着いた


疲れたから泳ぐのをやめるというのが

泳いでいるひと


力尽きて立ち上がる

これがおぼれているひと


これが海なら死んでいる

だからラッキープールということになる



永遠なんてわからないけど 

やさしいひとになろう

YUKIは言う

そう

永遠を志向するからこそ

本当にやさしいひとになれる

きっとそう

だとしたら

愛の日であるクリスマスとは

永遠を感じる日

言い換えると

今この一瞬を感じる日

この認識が

謙虚さを喚起するから

ぼくはクリスマスが好きだ

ただ

これは真面目や美とひとつながりだ

戦場のメリークリスマス

とても真面目だ

真面目は時に戦争を生む

そんな真面目や美の解毒剤としてユーモアがある


真面目とユーモアの往復運動に

人生の要諦はあると思ったり



坂本龍一はもちろん待ち遠しくないし

YUKIも待ち遠しくないけれど

雪は待ち遠しい



静かな時を過ごしたい