銀河にとどく自我


せかいじゅうの

わかいいのちへ


世のなかでいちばん おんどのつたわりやすいものは

ひとのこころです


こころは

雲がおひさまをかくすと さっと くもるし

おひさまがあらわれると ぱっと 晴れます

秋には 木が はっぱを細かくいろんな色にしますから

街じゅうが きらきらゆらゆら 宝石でいっぱいです 

くるまの色を見ていると 

スキップしたくなりますし

いろはもみじが 木枯らしに暴力をふるわれていると 

とても切なくなります


こころは

おいしそうに ぱくぱくと ごはんを食べているひとを見ると 

あたたかくなりますし

あかちゃんが笑うと くすぐったく やわらかくなります

悲しそうなひとを見ると つめたくなります


おもいやりのこころが育ってきますと

せかいが とてもきれいに見えるようになります

ひとのからだが じぶんのからだになってきます

木や動物たちとのきょりが ぐんと ちぢまって ともだちがふえます

恋人や家族としあわせそうに歩いているひとがいると 

しあわせになりますし

ひとがころぶと じぶんがほんとうに痛いですから 

なんとかして助けようとします

わたくしとあなたは おなじからだです


でも たまに いじわるなこころになるときがあります

そんなときは わたくしのからだと あなたのからだは 別々のものになります

とてもかなしいけれど あらしがすぎるのを待ちます


わたくしは 

あなたがたが たくさんのこころのえいようを吸収して

みやざわけんじさんのような 

自我が銀河の大きさにまでひろがった

やさしいひとになって

ほんとうのさいわいを求めて

まっすぐにすすまれることを

こころから

ねがっています